◆ えひめ丸慰霊祭


- 経緯 -

 始めに、「えひめ丸」ハワイ沖米原潜衝突事故でなくなられた9名の犠牲者とそのご遺族の方々、ならびに関係者に皆様方に哀悼の意を表します。
 私たち、岡崎石工団地青年経営者協議会は昨年度で創立30周年を迎えました。一昨年より準備委員会を発足させ、記念式典及び記念誌の発行等を計画して参りました。そのような折、昨年2月に飛び込んできた「えひめ丸」の事故報道にメンバー全員が強い衝撃を受けました。子供を持つ親として、ご家族の悲しみはとても他人事には感じられませんでした。
 生徒達はその胸に夢と希望を抱いて実習船に乗り込み、先生方は生徒達を大切に育てようと尽力され、また、ご家族は逞しくなって無事帰って来日を待ちわびていたことと思います。誰もこの様な悲劇が待っていようとは夢にも思わなかったことでしょう。
 「こんな悲劇は二度と起きて欲しくはない。」それがメンバー全員の思いとなりました。そこで、30周年記念事業の計画を変更し「えひめ丸」の慰霊碑を制作し、寄贈をさせて頂く事をメンバー全員の総意で決定しました。




 以上の思いを込め、石都岡崎の石工達が受け継いできた伝統の技を生かし、宇和島水産OBである 玉井恭介氏によるデザインの慰霊碑を制作しました。

デザイナー
: 玉井恭介氏(宇和島水産OB、セーラー広告(株)勤務)
寄贈地
: えひめ丸慰霊碑現地管理法人
建立地
: ハワイ州オアフ島カカアコ公園内
石種
: ラステンバーグ(南アフリカ産)
サイズ
: 3.6m(間口)×3.6m(奥行)×0.55m(最大高)
仕上げ
: 本磨き仕上げ。一部ビシャン仕上げ
総重量
: 20t





- 製作工程 -



大きさ 約1.5m×1.5m×2.7m 総重量 約20t


原石のままでは台車に乗らないため削岩機で1日かけ半分に割りました






切削機にて切削後、それぞれの事業所にて横面切削




数ミリの誤差も妥協しない緻密な作業




面取りはすべて手作業



舟形は手加工仕上げ 伝統工芸士のうでが冴える




刻字作業も順調に進みます




ハワイより引き上げられ、塗装された錨が到着




アンカーの穴あけ作業




校章にも色が入りました



石工団地加工場にて仮据え




錨と校章の取り付け




仮組み完成後、高所より撮影




愛媛県副知事が岡崎に来訪され完成した慰霊碑をご覧になりました




現地施工もトラブルなく終了





- 慰霊祭-

 2002年2月9日カカアコ公園において晴天のもと、遺族ならびに関係者の参列による慰霊祭がとり 行われました。大勢の参列者が黙祷 献花を行い、犠牲になられた方々の冥福を祈りました。






宇和島水産高生による献花の様子



 ハワイでの慰霊碑建立につきましては心のこもった温かい対応をしていただき心からお礼申し上げます。
  外国に、観光地に碑の建立は大変ですが、事故を忘れまい、安全な海を呼びもどそうという日米共通の考えが皆様の支え愛・響きの愛で助けていただいたと考えて おります。岡崎石工団地青年経営者協議会三十周年行事に参加させていただいた ことに学校を代表して感謝いたします関係者の皆様方にもよろしくお伝え下さい。
 私どもも早く元気になって”海を怖れず 海を愛し 海を拓け”の気概を持った若者育成に努力をしたいと思います。

宇和島水産高等学校長  堀田家考